曲紹介
こんばんはー!始めたときにはどうなることかと肝を冷やした当企画、曲作りをレシピとして段取り毎にアップしてまいりましたが、今回が最終回です。
▼唄
ボーカル録りDIYルーム、通称「唄小屋」にて録音。マイクは新兵器audio-technicaのコンデンサーマイクAT2035。これまでSHURE SM-58で歌を録っていたときは、イコライザーで高音を上げるのが通例でしたが、AT2035は無修正でOK。最初は「何か線が細いな」と感じましたが、思いきり歌うとローも自然に出るので結果としてバランス良く録れるようになりました。
▼歌詞
歌詞を解説することの無粋さを重々承知の上で、折角のこういう企画なので。サウンド的塩コショウをしながら、歌詞を考える、というか出来上がってくることが多いです。まぁここまで来ると「早く歌って終わらせたい」という気持ちがあるからかもしれませんが。
Aメロの仮歌で「~~~どおー」を多用していたので、これを「~~~DOOR」と考えてみました。こんな風に仮歌で自然に出てきた音(言葉)を使うパターンも多いです。何もないところから歌詞を作るのも大変だということもありますが、基本的に曲から自然に出てきたものを出来る限り使おうという気持ちもあります。
サウンドにせよ、言葉にせよ、自分の枠内で出来ることって限られますし、そもそも自分が面白くないですものね。曲が意外な音や言葉を連れてきてくれるところがいいわけです。
歌詞に戻りますが、Aメロで出てきた「ドア」というキーワード。無理矢理な韻を踏みつつも、サビで待っているイメージは「曇天たちこめる荒野にひとりきり」です。どうしようか2秒くらい悩んで、そのままくっつけることにしました。ドアを開けるとそこには見渡す限りの不吉な荒野。
そもそも「さあ、今すぐそのドアを開けて夢と希望の世界へ!」みたいな世論誘導に違和感があったんですね。本当にその扉の向こうにはそんな素晴らしい世界が待っているものなのか、と。
しかしながら、そこにドアがあるとつい開けたくなるものですし、ましてや「ドアの向こうには夢のような世界が」などという宣伝文句があればなおさらです。
例えば「今の会社に一生を捧げますか?『起業』という扉を今開けてみませんか」という宣伝文句にはかなりの人が心動かされるのではないでしょうか。冷静に考えれば、扉の向こうに何があるかなんて誰にも分からないのに、です。
ということで、「ドアを開けてみたらそこは果てなき荒野」は無きにしも非ず、という歌詞になりました。
▼アレンジ修正
この期に及んで、ワンコーラスと間奏の間の繋ぎ目が気になってきました。原因はギターとシンセサイザーの音を切るタイミングがいい加減過ぎたためです。録ったときは次のことなんて考えてませんから適当に止めたのですが、そこで流れが分断されて聴こえる、と。
今更録り直すのも面倒なので、ギターソロよろしく誤魔化し技です。そもそも「シンセサイザーはMIDIデータを直せばいいのでは?」という鋭い方がおられるかもしれませんが、何故かこのソフトシンセ、DAWに音色パラメータが保存されなくて、立ち上げるたびに初期設定に戻ってしまうため、MIDIを音声に録ってしまっていたのです。
というわけで、途中でプツッと終わっていたギターとシンセの音を四分音符分切り取って繋ぎ合わせて、あたかも「最初から延ばしてましてん」風に仕立て直しました。我ながら老獪です。
というような誤魔化しテクニックを最後に披露して終わるというのも情けない展開ですが、まあこんなもんです。相済みません。
・・・というわけで、「一体誰得?曲レシピ企画」これにて終了とさせていただきます。それでは第二回でまたお会いしましょう!!(もうやりません)
歌詞
▼DOOR
(詞・曲:C&P)
誰にも見えない けれどDoor
そこにDoor 開かんDoor
気にせぬフリしているがよう
中はどう? がらんどう?
誰か任せのまま
思えば遠くへ来たもんだ
やっと目の前のドアノブを
静かに回してみる
風が吹き去って
闇が待って
被さって
ひとりきりだって
今更に
思い出して
「誰か任せのまま
生きていくのも悪かないな」
そっと後ずさりする前に
背中でドアが閉まって
花は散り去って
土の中
種子になって
雨音を待ってる
響き出して
歩き出して
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