96時間

Cinema

(2008/フランス)

「面白い映画」として評価が高いこの映画、満を持しての登場です。主演はリーアム・ニーソンさん。よく見る顔だなと思ったら「スリーデイズ」(脱獄の先生役)、「Unknown」(主役)にも出ておられます。

最初から愛娘への溺愛ぶりに少し引きます。昔、少女コミックで「お父さんは心配性」という作品がありましたが、まさにあれを地でいく感じです。いくら娘が大切だからとて、ああはなりたくない。

さて、その愛娘をパリで誘拐された元CIAのお父さんが取り戻しに行くのですが、映画のサブタイトル「父の愛が、パリの街を暴走する」とあるように、空港を出るや否や無敵親父の「暴走」が始まります。娘たちに声を掛けたナンパボーイを追いかけて交通事故で死なせても、「あーあ、残念」くらいな感じです。

数々の殺戮や破壊的行為を行いながら猪突猛進してきたお父さんですが、とうとう敵に捕まってしまいます。猪のように天井のパイプに両腕を吊るされるお父さん。敵の偉いさんが手下に「静かに殺せ」。絶対絶命。

と思ったらお父さんが両腕をウニウニと揺すると天井からパイプが外れて、目の前の敵の脳天を痛打!天井から落ちてきたタライがいかりや長介の脳天をヒットするかのような展開に思わずのけぞる。

あまりのお父さんの無敵さにこの辺から安心してその暴走ぶりを眺める。この人は絶対大丈夫。敵のマシンガンも全然当たらない。

そして最後に愛娘を買った趣味の悪いガウンをまとった豚親父。切り札として愛娘を盾にして長いナイフをその喉に当てながら、

豚親父:「こ、交渉しよう・・・」
猪親父:バン!(即発砲)
豚親父:グエッ!(ようやくさっき出てきたところなのに・・・)

問答無用とはまさにこのことです。そのあまりの躊躇のなさにしびれる。「面白い映画」とは聞いていましたが、こういう面白さだったとは想定外でした。ノンストップドリフアクション親父映画。はちゃめちゃです。

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