ミステック・リバー

（2003年／アメリカ）

これも「サスペンス映画　名画」で検索するとよくヒットする作品。ずっと「ミステリック・リバー」だと思ってました。「ミステック」＝「神秘的な」、ということで「神秘的な河」「神秘の河」という感じでしょうか。

ジャケ写からも河が舞台なのかと思ってたのですが、ボストンの住宅街で25年前に3年の少年に起こった事件を発端にして、現在起こった殺人事件を巡るその3人のドラマでした。監督はあのクリント・イーストウッド。ご本人は出てませんが。

3人に加えてそれぞれの奥さんもどこかで見たようなお顔の方ばかり。ジミーこと「永遠の不良」ショーン・ペンさんは「ゲーム」（どの役だったかな？）。不幸を一身に背負うデイブことティム・ロビンスさんは「ショーシャンクの空に」(私は見てません）。デイブの奥さんのマーシャ・ゲイ・ハーデンさんは「ミスト」の即席宗教信仰女。ジミーの奥さんのローラ・リニーさんは「真実の行方」、そして「ライフ・オブ・デビットゲイル」。まぁそうそうたるメンバーなのでしょう。流石はクリント・イーストウッド監督。

途中、話がもたもたしてしんどいところはありましたが、名優による名演技にやはり見入ってしまう。真犯人は「え？そこ？」という感じですが、要するにデイブさんは不幸を一身に背負い、ジミーとショーンはそれぞれの十字架を背負う、ということなのでしょう。公平・不公平という尺度なんてものは現実的にはあまり意味がないのだ、というようなことを感じました。

でも、不幸を一身に背負って死ぬことと、重い十字架を背負って生きていくということはある意味では等しいことなのかもしれませんね。

終始カラー映画でありながら、冒頭から抑えた色調の画面が、最後のパレードのシーンでは一気に華やかになる演出は印象的で、黒澤監督の「夢」を思い出しました。