サイン

Cinema

(2002年/アメリカ)

あまりのどんでん返しに度胆を抜かれた「シックス・センス」、独特のファンタジーさと現実との対比が印象的だった「ヴィレッジ」の監督、M・ナイト・シャラマン監督作品。期待大です。

のっけからミステリーサークルが登場して「うほっ、スペースファンタジーだ!」と思って見ておりましたが、UFOやミステリー・サークルを作り上げる知能を持つ宇宙人からの侵略を防ぐために、家の扉や窓に板を打ち付けたり(ヒッチコックの『鳥』そのままです)、いよいよ家に侵入してきた宇宙人を野球バット1本で倒したり・・・・・・あげく、奥さんを事故で失って(事故を起こしたインド人運転手役が監督その人)神父を辞めていた主人公(メル・ギブソン)がこの度の宇宙人騒動から「サイン(啓示)」を受けて再び神父復業、というハッピーエンド・・・・・・。

しばらくポカンとする。なんなんだ、この尋常ではない中途半端さは。深夜3時でしたが、ネットで評価を検索するとやはり散々なものが大半です。

でも「この作品は宇宙人がどうこうというのがテーマではなく、あくまで主人公の宗教心(あるいは何かを信じる心)の変遷に注目すべきなのだ」という解説もあって、そうであって欲しいと思う。だって「シックス・センス」みたいな作品の脚本・監督が出来る人なんだから。

宇宙人の凄さで観客を震え上がらせようとするなら、それも簡単に出来たはずなのに敢えて徹底的にそれは避けてます。宇宙人の姿形なんてどうでもいいわけですね。でも、そういうのを媒介として監督が伝えたかった「何か」が深夜3時の私の脳みそでは理解できなかった、と。

つまり私には「サイン(啓示)」は為されなかった、ということなのでしょう。

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