(1969年/アメリカ)
「いつかは観なくちゃ名作」シリーズ。今回はこの作品。なんといってもステッペンウルフの「Born To Be Wild」が最高です。この「コレキタ」感たるやちょっと他に類を見ない。
ロードムービーというんでしょうか、ほとんどが自由の国アメリカの広大な風景をバックグラウンドにワイアットとビリーがハーレー・ダビッドソンで走るシーンが延々と続く。そのBGM(バーズやジミーヘンドリックス)の格好良いこと。もうPVと言ってもいいくらいです。
途中でヒッチハイクする男がなんだかジョンレノンに見えて仕方が無かったです。何かを静かに諦めてしまったかのようなその佇まいが。
後半の同伴者は若かりし怪優ジャックニコルソン演ずるすねかじりの酔いどれ弁護士。ボトルの酒をグビッと煽って口角を広げて「ウィー」という顔から右脇をパカッパカッと広げながら「ニッ!ニッ!ニッ!」。なんじゃそりゃ?どういうキャラクター設定をしたら、そういう演技が出てくるんだろう?
謝肉祭のあとの墓地での倒錯的シーンを経て、噂には聞いていた衝撃的なラストシーンへ。
前半のPV的シーンを観ながら我々が感じていた「自由の国アメリカ」への羨望が見事にぶった切られる。「決してそんなことではないんだ」と。シンプルにしてワイルドな映画でした。
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