(2010年/アメリカ)
脚本原案は同い年のM・ナイト・シャマランさん。
基本的にエレベーターものは苦手なんですね。閉所恐怖症なのでそもそも本物のエレベーターも好きじゃないんですが、密室に閉じ込められた他人同志が徐々にエゴを剥きだしにしていく・・・というのをじっと見せられるという、空間的にも精神的にも息が詰まるような閉塞感が嫌なのです。
そういう意味ではたまたま乗り合わせた警備員が「俺は閉所恐怖症なんだ」と最初から言い切ってくれたので、「そうだ!そうだ!」と思わず握手したくなりました。
冒頭のシーン、高層ビルの清掃員が防音用のヘッドホンをしながら床掃除をしている後ろで、飛び降り自殺に気付かない場面は度胆抜かれました。ガラスを隔てた日常と非日常が衝撃的に合わさる瞬間を目の当たりする、とでも言いましょうか。
『サイン』なんかもそうですが、シャラマン監督の宗教色が色濃く出ていて、それにSFやらホラーやらサスペンスを練り込んだ一品という感じです。
ネットでの評価なんかは散々だったりするんですが、同い年の贔屓目もあってか「いやいや、シャラマン君、その心意気は分かるよ」と言いたくなります。「そりゃ、ちょっと普通に世の中に出すには濃い過ぎるかもしれんけど」という。以前もそんなことを書いた記憶がありますが・・・。
コメント