(1949年/アメリカ)
映画のカテゴリーのひとつ「西部劇」、いわば勉強というか「バランスよく色んなものを摂取しないと」という感じで時々観るようにしています。今回はジョン・ウェイン氏主演、「ジョン・フォード監督作品の中の『アパッチ砦』、『リオ・グランデの砦』と並んで「騎兵隊三部作」と評される第2作」(WikiPedia)です。
まぁ『リオ・グランデの砦』のときも思いましたが、やっぱり日本人たるもの「西部劇」が生理的に入ってこないんですね。「じゃあ時代劇が入ってくるのか」といえばそれも入ってこないわけですが。
「西部劇映画にしては珍しく殺し合いのシーンがなく、味方の騎兵隊も敵のインディアンも、死人が一人も出ないように仕上がっている、騎兵隊の生活の様子を主に描いた映画である」(同上)ということですが、それでも「なんとか騎兵隊が壊滅させられた」とか、インディアンの矢で殺された人を乗せた馬車を騎兵隊が追いかけるシーンから始まったりとか、極め付けはラストで「というわけで、こういう騎兵隊の活躍で現在のアメリカ合衆国があるわけです。以上」みたいなテロップが流れたり、要するに前提条件は「白人=善、インディアン=悪」なんですね。
新聞の全面広告にあった「ぼくのおとうさんはモモタロウというやつにころされました」という子鬼のモノローグではないですが、インディアンの立場からすれば白人こそが「侵略者」なわけです。
ヒロインのオリヴィア嬢にしても、若い騎兵隊員の心を翻弄する黄色いリボンをつけたちょっといけない小娘と観ていいのか、ジョン氏の気持ちを汲み取る優しい娘と観ていいのか、判断がつきませんでした。
というわけで西部劇は当方にとって、モニュメントバレーの素晴らしい風景だけを鑑賞するひととき、ということになっております。
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