(2007年/アメリカ)
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン両氏出演作なんて良い映画でない訳がない、ということで本当は観たくなかったのですが、そうやって死ぬまで避け続けるわけにもいかないだろう、と。
それにしても邦題たるや「最悪のタイトルのお付け方」のお手本ですね。原題は『The Bucket List』(棺桶リスト)。これでこの二人が主役なら「ひょっとしてジャック・ニコルソンは相変わらず手斧片手に走り回る猟奇的老怪人で、対するモーガン・フリーマンは牧師か元刑事で・・・」という妄想が膨らむところですが、『最高の人生の見つけ方』・・・もうそれだけで粗々のストーリーと「全米が、泣いた」という予告編が目に浮かびます。
というわけで、観る前からハンケチ必須の「涙腺崩壊」モードを強いられる展開ながら、そこは主役の二人の存在感で魅せてくれます。ジャック・ニコルソンの今にも斧で扉をぶっ壊しかねない破壊力ある立ち居振る舞いと、その横のモーガンの「やれやれ」という滋味溢れる表情・・・いやいや、これぞ名人劇場!
邦題のお蔭で大方予想通りなストーリー展開でしたが、「棺桶リスト」のひとつ「世界一の美女とキスする」のコンプリートが素敵でした。それから男性秘書のキャラクターが映画の「隠し味」になってましたね。意外にカラッと終わるラストといい。
観終わってから、今年の秋に日本でこの映画がリメイクされることを知りました。主役は女性に変わって、吉永小百合さんと天海祐希さん!吉永さんがモーガンサイド、天海さんがジャックサイド、のようです。
オリジナルではそんなに格好良くもない(失礼!)じいさん二人が主役、というところが結構重要だったと思うのですが、日本を代表する和美人と-196℃酎ハイの飲みっぷりが見事な元タカラジェンヌ、どれだけの説得力をもってテーマを提示できるか・・・監督の腕の見せ所でしょうか。
主題歌は竹内まりやさん「旅のつづき」ときて、タイトルはそのまま『最高の人生の見つけ方』・・・間違いありません、バスタオル必須でご鑑賞を!
コメント
「良い映画でない訳がないので本当は観たくなかった。」いや、観ましょうよ!
…でもジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン両氏出演作なら、たとえ駄作でもそれがまたいいってなっちゃう気がして、無名の俳優と監督作で「全米が、泣いた」というキャッチコピーをつけているB級感溢れる作品の方に手が伸びてしまうのは分かる気がします。
日本でリメイクするんですか、女性版なら「世界一のイケメンとキスする」になるんでしょうか。原題の「The Bucket List」は“Kick the bucket”のイディオムが元になっている、とwikipediaに書いてありましたが、これはさすがに邦題変えないと意味がわからないですねW
所謂「感動の名作」は大体避けてきたんですね。『タイタニック』『ET』『ゴースト』『カサブランカ』『のび太の恐竜』・・・どれも未観です。大体音楽制作にしても「風景に音楽をつける」コンテストで皆様が美しいインストを投稿しているのをみて「よし、ここは唄もので勝負だ!」というタチですので。勝負というかハナから「不戦敗」な訳ですが。
閑話休題。三つ星レストランが間違いなく美味しいとは分かりつつ、どうしてもB級グルメに魅かれてしまうような感じでしょうか。「うわ!?ソース、くどっ!」とか言いながらですね。
“Kick the bucket”をあらためて調べますと「バケツを蹴る」=「死ぬ」というスラングらしいですね。これが元と言われても「バケツリスト」=「死ぬまでにやるべきこと」とは何か腑に落ちませんよね。日本で言うところの「ホトケになる」=「死ぬ」、「仏の箇条書き」=「????」・・・何だか御利益はありそうな感じはしますが。