西加奈子(2014年/小学館)
ずっと読みたかったこの作品、やっと読み終わりました。2015年の第152回直木三十五賞受賞作品です。会見の際、後半がずっとプロレスの話で「あれ?私何の話してるんでしたっけ?」という西さんが最高にキュートでしたね。
もう終盤では主人公とヤコブとエジプトのナイル川のほとりで一緒に泣いてました。西さんの作品にはいつも泣かされちゃうんですね。冷静に考えると一体何に泣いているのかよく分からないんですがもう滂沱の涙が・・・。
上巻と下巻の間で読んだ、先日のエッセイ「ミッキーたくまし」とのギャップが凄すぎてクラクラします。同じ作者と思えないようでもあり、逆にあのエッセイを書けるパワーがあるから本作も書けるのかな、と。
いつもながら、最初は「しんどいよな、この人たち」と主人公に同情しながら寄り添っているつもりが、終盤に差し掛かるにつれてグイッとそのまま背負い投げされるようなどんでん返しにやられちゃいます。
「サラバ!」は長いだけにその振り幅というか、体重の乗っかり方が凄まじくて、もう気持ち良いくらいに叩きつけられました。
最近我が街の図書館に「予約システム」があることを知り、早速予約しまくって我がデスクの上には未読の西さん作品があと3冊もあるのです。嗚呼、もっと叩きつけられたい!嗚呼、何てマゾヒスティックな読書体験!
コメント