(2012年/アメリカ)
素行の悪い少年が色々な経験を経て真っ当な大人になっていくとか、「お前みたいな奴に娘はやれん」という頑固親父との確執と迎合とか、どう考えても勝ち目のない敵にとんでもないロースペックで立ち向かって奇跡の勝利を得るとか、もうありとあらゆるステレオタイプなストーリーをギュッと詰め込んで、有名俳優をちょこっと乗せて、無駄にゴージャスなSFXでコーティングしたのが本作です。
定食屋や駐在さん等のベタな設定をベースに、池乃めだか師匠をちょこっと乗せて、コテコテなギャグでコーティングされている吉本新喜劇と建て付けは変わらないかもしれません。
本作の有名俳優&頑固親父はリーアム・ニーソン!そして我らが日本からは浅野忠信氏も良い立ち位置で参戦。しかしながらこの二人が並び立つとどうしてもマーティン・スコセッシ監督の『沈黙~サイレンス』(2016年)が思い出されて、自然に胃が重くなります。
「荒唐無稽」などというチープな言葉では語り尽くせない本作ですが、なんとユニバーサル・ピクチャーズ100周年記念作品として2億ドルの制作費かけて作られ、興行収入6,500万ドルというズッコケぶり。
さらに第33回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞、リーアム・ニーソン御大は最低助演男優賞、リアーナ、ブルックリン・デッカー両女史は最低助演女優賞、最低スクリーンアンサンブル賞の計6部門にノミネート。そしてリアーナ嬢は見事最低助演女優賞を受賞!
というわけで何もかもがハチャメチャですが、何故か日本では「バトルシッパー」と呼ばれる熱烈なファンがいるそうです。
まぁ何でも中途半端が一番駄目で、振り切ってしまえばゼロではなく、他では得難い「何か」が生まれるものなのかもしれません。それにしてもここまで振り切るのは並大抵では無理ですし、むしろ普通に面白いものを作る方が簡単そうですけどね。そこはユニバーサル・ピクチャーズ100周年のこだわり、なのでしょう。多分。
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