(2005年/アメリカ)
スティーヴン・スピルバーグ監督作品にして、原作はH・G・ウェルズ、そして主演はトム・クルーズ、ということで何とも仰々しいことになっております。
個人的に何故かトム・クルーズ続きですが、前回の『コラテラル』では鬼畜暗殺人、そして今回は港のコンテナクレーン職人で離婚した妻と子供たちには相手にされないダメ親父役。とはいえ、そこはトム・クルーズですから、どうしてもイケてる風にしか見えないんですね。ダメダメな草刈正雄が想像できないのと同じです。多分。
二人の子供のうち、お兄さんは知らない人でしたが(すみません)、妹は『ハイド・アンド・シーク』『エフィー・グレイ』『500ページの夢の束』のダコタ・ファニング嬢。パニック状態で泣き叫ぶ様はもう演技の域を超えています。ダメ親父氏を凌駕して余りありますね。
先だって鑑賞した『リヴォルト』もそうでしたが、どう考えても無敵な宇宙人ロボ(?)に翻弄され、逃げ惑う地球人たちの図です。『リヴォルト』では勇敢な戦士とタンクトップ女医が立ち向かっていきましたが、ダメ親父のトムと中途半端な反抗期の兄とヒステリー症の妹たち一行はただただ逃避あるのみ。
そんな中、一行を救ったおじさん・・・どこかで見たような・・・と思ったら、まさかのティム・ロビンス氏!(『ジェイコブス・ラダー』『ショーシャンクの空に』『隣人は静かに笑う』)。善と悪の境界線を漂う狂気を演ずるに相応しい、とはいえ実に贅沢なキャスティングです。ちなみにナレーションはモーガン・フリーマン!スピルバーグ監督、ちょっとやりすぎです。
無敵ロボの末路といい、ダメ親父と反抗期息子や元妻との関係といい、2001年9月11日の同時多発テロへの思いといい、どうもしっくりきませんでした。理屈としては理解できるのですが、それにしては全てが仰々しすぎるんですね。「大作」前提というのもなかなか大変なのでしょう。多分。
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