(2016年/アメリカ)
「スイス・アーミー・マンって何だろう」と観終わってからも思っていたのですが、WikiPediaによると「スイスアーミーナイフのように様々な機能を備えている」男とのこと。なるほど。
というわけでそのドラえもん的ポテンシャルを持つ男はすでにこの世の人ではなく死体として登場。しかも演ずるはあの『ハリー・ポッター』ことダニエル・ラドクリフ氏!
無人島で死を覚悟した、もう一人の主役ポール・ダノ氏が波打ち際に横たわる死体ポッター君を発見。放屁の勢いで海に出ていく死体ポッター君に乗って無人島脱出!これぞ魔法!?波を割って海を疾走する死体に乗る男を遠景で捉えてのオープニングコール。何なんだこれは。
ここからラストに至るまで徹頭徹尾「とほほ」では済まないバカバカしくナンセンスな展開が続きます。それはもう最後のヒロインのセリフ「・・・何なの?」の一言に尽きます。
「生きるとは」というテーマを真面目に表現するのはいたって普通、敢えて逆張りして真面目にふざけ切ってみた作品といえましょう。映画祭では途中退席した観客もいたりと賛否両論な本作ですが、個人的にはもちろん「賛」です。ナイストライ!
配給は『エクス・マキナ』『ムーンライト』『ミッドサマー』『ディック・ロングはなぜ死んだのか』など、一筋縄ではいかない話題作を手掛けるA24。さすがです。
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