ビーチ・バム まじめに不真面目

Cinema

(2019年/アメリカ)

前回の「バッド・ルーテナント」に引き続いて、「どう考えても次の瞬間奈落の底に落ちるであろう生き様」シリーズ第二弾です。たまたまですが。

今回の主役、放蕩の悦楽詩人を演ずるはマシュー・マコノヒー氏。この人もニコラス・ケイジ氏ほどではないにしても結構クセの強い俳優さんですが、すでに本人の原型をとどめないくらいに演じ切っておられます。

金持ちワイフのおかげで万年夏休み的生活を享受する詩人ムーンドックですが、ワイフが事故死。あろうことかワイフの愛情溢れる遺言「新しい詩集を出版しないと遺産相続なし」により、心根を入れ替えて現実と向き合うことに・・・。

のはずが、そうならないのが「バッド・ルーテナント」と底通するところです。ムーンドック氏を観ながら「ほんまにこれでええんかいな」と思いつつ、ラストのクライマックスシーンには「まぁ、もうこれでええんか」という諦めの境地とともにハタと気付きます。

主人公そっちのけで、遺産の50億円や常識的な人の在り様にこだわっていた我が姿に。

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