レフト・ビハインド

Cinema

(2014年/アメリカ)

宗教にハマって敬遠がちな妻の目を盗むように、フライト先でグラマーなCAとよろしく風情のパイロットはニコラス・ケイジ氏。こういうフニャフニャしてるのに変なところで頑固で全体としては胡散臭い役がよく似合います。

久しぶりに家族水入らずで、と帰省してきた娘はニコラスパパがフライトでガッカリだったり、宗教ママと口喧嘩したりしながらも年の離れた弟を連れてショッピングへ・・・と突然目の前の弟をはじめ、周りにいた子どもたちや大人が衣服を残したまま姿を消して世界中はパニック。一方フライト中のニコラスパパの横の副操縦士も消えて・・・という奇想天外な展開。

というところまでは良かったのですがその後、娘はパニックに陥った街をひたすら走り回るばかり、飛行機の方は燃料切れ・着陸できる空港がない絶望的状況で乗客の様子を見せられるのですがこれが中途半端で、特に「泣き」の演技がビックリするくらい素人っぽく見ていて萎えます。

WikiPediaによると「聖書における携挙を描いた小説が原作」ということで、「携挙」というのは「地上にあるすべての真のクリスチャンが空中で主と会い、不死の体を与えられ、体のよみがえりを経験する」ことなのだそうです。

なるほど。つまり映画のかなり序盤で世紀の大ミラクルは起こってしまっているわけで、あとは『レフト・ビハインド』=おいてきぼり、というタイトルが示すとおり、延々と消化試合を見せられているようなものなんですね。

そういう意味では最もレフト・ビハインドな目に合っているのは我々観客のような気もしますが。

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