ベイビー・ブローカー

Cinema

(2022年/韓国)

久し振りのソン・ガンホさん。この人が画面にいることの安心感って何なんでしょうね。観ながら「渥美清さんってこんな感じだったのかな」とずっと思ってました。『寅さん』シリーズを観たことないのにこういうのもなんですが、日本人ってスクリーンに渥美さんがいるだけで何だか安心するDNAみたいなものがある気がします。山田洋二さんがそれを上手く映画に撮ったのがあのシリーズという。

閑話休題。今回もソン・ガンホさんを観ているだけで惹き込まれますが、このベイビー・ブローカー(赤ちゃん売人)を追う女性刑事がペ・ドゥナ嬢!ポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』(2000年)、『グエムル-漢江の怪物-』(2006年)も印象的でしたが、ハリウッド映画に進出した『クラウド アトラス』(2012年)のエキゾチックな存在感が出色でした。

赤ちゃんポスト前に置き去りにされた赤ちゃんを中心として、その母親、ブローカー、警察など登場人物の思惑と(変化も含めた)思いが交錯しながら迎えたラストカットが素晴らし過ぎてしばらくボーっとしてました。

そんな頭でエンドロールを眺めてたら「是枝裕和」?え?あの是永監督???そういえば是永監督がソン・ガンホら韓国俳優と映画を作ったというニュースを見たことがあったような。

というわけで、何の先入観もなく是永監督・脚本の韓国映画を観ましたが、そんなわけで日本人の感覚としてすんなり観れたのかもしれません。ネットで評価を見ていると「韓国映画として観ると退屈すぎる」という声があったりしたので。どっちが良い、悪いということではなく。

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