町田 康(2000年/文藝春秋)
西加奈子さんのインタビューの中でお名前が出ていて、近所の図書館でたまたまみかけたので。なんと芥川賞受賞作です。これは期待大。
出だしから「無数の大黒天吉祥天女が舞い踊っている。」もう言葉によるリオのカーニバル状態です。しかも陰鬱さを底辺にそれが最後までずっと続きます。映画でも途中でストーリーを追うの諦めたときに、ちょっと気持ちが解放される感覚がありますが、のっけからそんなアプローチにならざるを得ません。ただただ主人公の(筆者の)言葉を受け容れていこう、と。
なので読み方が分からない難しい漢字や知らない言葉もその都度調べながら読み進めて、そういうのも面白かったです。樹海で迷いながらも珍しい鳥や昆虫を見つけたり採集したりするような感じです。カオス的ピクニック。
読んでる最中はこの混沌の世界から早く抜け出たいと思うのですが、読み終わると他の本も読みたくなってくる、という不思議な作家さんです。
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