(2002年/アメリカ)
クリストファー・ノーラン監督作品。同監督の作品はこれまで「メメント」(2000年)、「ダークナイト」(2008年)、「インセプション」(2010年)の3本を見ました。才気溢れる作品を作られてますね。
冒頭の空撮による氷原から映画に惹き込まれます。舞台となる白夜のアラスカの町に着いてからも展開がスピーディーで目が離せません。名前は知ってましたが、今回初見のアル・パチーノ演じる敏腕刑事ドーマーがテキパキと捜査の指示をするのが格好良いです。最初は疎ましげだった地元の捜査官の彼を見る目がみるみる変わっていく。
そんな印象を観客に植え付けておいて、霧の中の銃撃戦で起こる出来事と不眠症(=インソムニア)に悩まされる彼の劣化ぶり、そして何故この地に彼が赴任してきたのかという過去とリンクしてラストまでぐいぐい引っ張られます。その合間に映るアラスカの風景の美しいこと。
最初はドーマーを尊敬していて、後々彼に疑惑を持つという地元の女刑事であり本作のキーウーマンにはヒラリー・スワンクさん。どこかで見たよな、と思っていたら佳作「11:14」でドラッグストアの店員役だった方です。その時は歯の矯正器具を付けていて「ミックジャガーの女版」と酷いことを書きましたが、今回は魅力的な女性を演じています。俳優さんって凄いですね。どうとでも自分を見せることができる。
ドーマーと対決するウォルター・フィンチ役のロビン・ウィリアムズさんも今回初見ですが、彼を見ながらずっとケヴィン・スペーシーを重ねてました。アパートに押し入ったドーマーから逃げるシーンは「セブン」を思わせますし、フェリーで理路整然と事実と策略を語るシーンや取調室でドーマーとやり合うシーンは「ユージュアルサスペクツ」を彷彿とさせます。相方は太田胃散のCMの川谷拓三さんに似てると言ってました。同じ俳優を見て、こうも想像する人物が違うものかと。
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