(1986年/アメリカ)
ベン・E・キングの同名曲とともに超有名な作品。1950年代の古き良きアメリカ。ミスタードーナツの世界です。
スティーブンキングの原作も読んでいて、鹿が出てくるシーンの静けさが印象的でした。映画ではサラッと流されてる感じでしたが。
4人の少年たちが死体探しの旅に出る、という何とも云えないストーリーですが、相変わらず観客(あるいは読者)に感情移入させる仕掛けが上手いなと。
主人公の少年の「出来る」兄が不慮の事故で死んで、両親がショックから立ち直れない、その狭間の井戸の底のようなところで精神的に立ち尽くす主人公の心情。大好きだった兄から貰ったヤンキースの帽子を取り上げる町の不良たちの憎たらしさ。自動車修理工場の親父から家族のことを罵倒されるメンバー。子どもっぽさ全開の冒険の最中、ふとしたタイミングで吐露される悩み。
こうしたエピソードを追っているうちにふと気付くとすっかり主人公たちの横に寄り添って一緒にストーリーを歩いているんですね。説明とかじゃなくて、こういうプロットの選び方や提示の仕方が自然で無理がないのが上手いところなんでしょうね。「こういう奴、いるいる」と言ってる間に乗っけられちゃってるというか。
そういう意味では子役たちの演技というのも素晴らしかったですね。これが「子役ですが大人に顔負けで頑張ってるでしょ?」という日本でありがちな自己(親?)顕示欲が透けて見えると冷めちゃうんですが、自然に「大人一歩手前の少年たち」を当の少年たちがちゃんと演じているという。煙草(解説によるとキャベツ製(?)らしい)を吸っているシーンも本当に美味しそうに吸うんですね。
そして言わずもがなで主題歌が良いです。ジョン・レノンのカバーも良いですが、なんだかメッセージ性が少し強い気がして、オリジナルの「古き良きアメリカ」感が薄れてしまうような。
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