(2003年/アメリカ)
これは「稀代の嘘つきが出てくる映画」というまとめで見た事のある作品。よく考えるとそういう意味でははなから「ネタバレ」しているようなもんですね。
実際にあった話を題材にしているのですが、このスティーブン・グラスという雑誌記者が嘘をついているか、いないかということよりも、「会社というのは独善的な過ちを防ぐことはおろか、ときとして当然のようにそれを迎合してしまうものだ」という怖さですね。
最近の「東芝」も然り、「ホンダ」も然り。性能テスト結果のごまかしを社内で防ぐどころか、「そんなのをまともにやっていたらライバルに差を開けられるじゃないか」という理屈が会社の常識としてまかり通ってしまう、という。ひとりの担当者の善悪というレベルのテーマではないんですね。
そういう意味では実に今日性のある映画だといえましょうし、逆に言えば「コンプライアンス」だなんだと言いながらも、会社というものは十数年前となんら変わっていないということなのでしょう。
コメント