(2007/アメリカ)
「面白いサスペンス映画」より。
原題は「No Country for Old Men」(老人のための国はない)で、邦題の単なる「ノーカントリー」では意味が分かりません。
ということで冷酷無慈悲な殺人鬼の殺し屋が圧倒的存在感を放っておりますが、あくまでも軸はサントリーBOSSのCMでおなじみ、トミー・リー・ジョーンズ演ずる老保安官です。ワシには一体何が起こっているのかさっぱり理解できん、ということです。
普通の映画なら老保安官の視点はないところで、「麻薬取引にまつわる大金をめぐる逃走劇と殺人マシーンの織りなすバイオレンスサスペンス」ということなのでしょうが、老保安官の視点があることで「こんな風に本来映画の中でしかありえなかったような理解を超える犯罪がリアルな世界で起こりつつあるのだ」という一段深い映画となっているように思いました。
というわけで、いわゆるサスペンス映画とは一線を画する作品ですが、緊張感もときれることなく、ふっとカットアウトするようなエンディングまで一気に見せられました。
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