(2016年/英・米)
本作も主役級キャスト目白押しです。「ヘの字口をさせれば右に出る者なし」のコリン・ファース氏、たまたま連続で鑑賞のジュード・ロウ氏、その愛人役がニコール・キッドマン嬢。豪華!
ちなみに端役のF・スコット・フィッツジェラルド役はガイ・ピアース氏(「プリシラ」「メメント」)。贅沢!
ストーリーはタイトルが示すとおり、作家トマス・ウルフを世に出した名編集者のお話。
全体としては地味な展開なので、コリン・ファースのヘの字口がいつへの字じゃなくなるか、ジュード・ロウの自在な躁鬱ぶり、いつにも増してエキセントリックなニコール・キッドマン、これらを堪能する作品ですね。
あとひとつ付け加えるならば、コリン・ファースがいつ帽子を取るか、というところでしょうか。
繰り返しになりますが派手さはないものの、きちんとダシの染み込んだ練りモノのような味わいある映画でした。
コメント
私は作家と編集者の関係に詳しくないのですが、この映画で描かれる二人はきっと伊佐坂先生とノリスケ君のような関係とは違うんだろうなと思いました。
しかしながら良いものを作ろうという熱量があればそこに摩擦も生じるもの。それが映画になるレベルかどうかは別として、それぞれにドラマがあるのでないかとも思いました。サザエさんスピンオフで彼らの物語も見てみたいものです。また違うダシの染み込んだ味わいがありそうです。
おおっ!伊佐坂先生とノリスケ君とは灯台元暗し、そんな身近なところに格好のシネマティックな構図があったとは!!
恋愛小説の権威である伊佐坂先生、次回作のネタに困った末、あろうことか長女の浮江嬢とノリスケ君、そしてひそかに浮江嬢に恋心を寄せる三河屋の御用聞き三郎さんを言葉巧みに三角関係へと。それを塀の穴からじっと見つめるのは磯野家のタマ・・・その鈴の音にハッと振り向く浮江嬢とノリスケ君・・・いやぁ波平さんとマスオさんが立ち寄る赤ちょうちんのおでんのような味わい・・・となるか否かは伊佐坂先生の腕次第ですね。
何と父親が仕掛ける愛想劇ですか!日曜夕方の茶の間では直視できないシーンが頭をよぎってしまいます。が・・・う~む、なかなかどうしてそれも悪くないですな(笑)
R-18的シーンは、シェイクヒップタマダンスを目隠しとして、音声はタラちゃんの「いたしま~す!」・・・失礼いたしました。