(2000年/アメリカ)
「インセプション」「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督作品。
ある事件の後遺症で10分間しか記憶が維持できないためポラロイドカメラへのメモや自分の身体に入れ墨でメモする男の復讐劇なのですが、映画の冒頭が一番現在に近くて、プロット毎にだんだん過去へ戻っていくという、頭がこんがらがる構成となっています。
要するにややこしい構成にすることで、主人公の男の頭の中というか精神状態を観客にも追体験させるような効果だと思いますが、今見ているプロットの終わりがさっき見たプロットの始まりに繋がるという・・・分かります?テープレコーダーである曲のエンディングを聴いて、「キュルキュル」と巻き戻して最後のサビからエンディングにちょいかぶるとこまで聴いて、また「キュルキュル」と巻き戻して間奏から最後のサビの頭までを聴いて・・・を繰り返してイントロまで戻っていくような感じです。
こんな曲の聴き方でだれかにその曲の感想を聞かれても「えーっと、ちゃんと頭から通して聴かないとよく分からんな」となりますよね。それがそのままこの映画の感想です。あんまり決めつけてもいけないのでしょうけど、ノーラン監督の作品の凝り方って、私にとって何かポイントがずれていて、それがゆえに映画にすっと入っていけないというか、映画のテーマがすっと入ってこないという気がする。もちろん良い悪いではなくて、相性の問題として。
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