天国への階段

Cinema

(1946年/イギリス)

原題は「A Matter of Life and Death」(生と死について)というお堅い雰囲気ですが、イギリスらしく紳士の枠をはみ出さないユーモアがちりばめられた作品です。

墜落寸前の戦闘機パイロットと管制塔のヒロインとのやりとりから、パラシュートもなく脱出したパイロット氏が流れ着いた砂浜に偶然通りかかる管制塔ヒロイン。

「君はあのときの!!」
「嗚呼!生きてらっしゃったのね!」

瞬く間に恋に落ちる二人。もうどうしていいのか分かりません。

でもWikipediaの解説によると「パラシュートで降下しながら、生と死の間を体験するイギリス兵の物語。臨死体験を映画の中で扱った先駆的作品」とのこと。

「パラシュートが無いから死ぬしかない」とパイロット氏が言ってような気がするけどな。まあそれはどちらでもいいのですが、上記の奇跡的な出会いも含めての「臨死体験」ということなら説明がつきます。正確に言うと「説明不要」ということですが。

天国からの使者がやってくるときのストップモーションや果てしなく続く天国への階段、「地上のテクニカラーは何て美しいんだ」というセリフが噴飯モノの綺麗な色彩(ちなみに天国サイドがモノクロいうのも洒脱)、裁判シーンの傍聴席を埋め尽くす大聴衆など、シュールな見どころいっぱいです。

コメント