風と共に去りぬ

Cinema

(1939年/アメリカ)

いわゆる「名作」が大の苦手な当方ですが、それでも1年に2~3回くらいは魔が差したように見たりします。今回もそんな数少ない一本。

有名なんですが、まったく予備知識がなかったりします。上演時間は222分!3時間42分。途中でインターミッションを挟む映画は『十戒』と『2001年宇宙の旅』以来でしょうか。

ヒロインのスカーレット・オハラ役はヴィヴィアン・リー嬢。『欲望という名の電車』でもヒロインを演じた大女優ですね。本作でアカデミー主演女優賞受賞。

お相手のレット・バトラー役はクラーク・ゲーブル氏。風貌といい、役柄といい、ちょっと日本人受けしない感じです。

日本人受けということなら、何と言ってもメラニー・ハミルトン役のオリヴィア・デ・ハヴィランド嬢でしょう。アクの強いスカーレットとのコントラスト、という位置づけです。『ロビンフッドの冒険』(1938年)のお姫様役も魅惑的でした。

南部で自由奔放に遊び暮らすスカーレットが南北戦争で全てを失うも不屈の精神で経済的に立ち直るも、レットとの恋愛も空回り、様々な不幸が彼女を翻弄・・・という筋立てなのですが、スカーレットの、といいますかヴィヴィアン・リーの倒れそうで決して倒れない強さたるや。まぁ、メラニー嬢の何もかも慈悲深く受け入れる優しさという「強さ」も凄いですが。

それを4時間近くかけてじっくりと観せながら、なおかつ「・・・というわけで、二人は幸せに暮らしましたとさ」で済ませないところが「名作」たる由縁でしょう。

こじんまりと2時間くらいで話をまとめてしまおう、みたいなセコさが微塵もありません。幸せな時代の幸せな映画。

「タラのテーマ」が流れる中、スカーレットがひとり夕暮れの農園で再起を誓うシーンは、誰が何と言おうとほれぼれするような名シーン・・・やっぱり年に何本かは「名作」も観るべきですね。

コメント

  1. OJ より:

    この映画は私でもテーマ曲とともに大作かつ名作であると伝え聞いていましたが、3時間42分とは少しみくびっておりました。
    南北戦争時代のアメリカで南部の没落という苦難に立ち向かう人々への判官贔屓的な作品なのではなく、CPさんのレビューを読むにそんな単純な話ではなさそうですね。
    様々な人間ドラマが描かれた後「ひとり夕暮れの農園で再起を誓う」ラストですか…、こちらの中途半端な日常の後「ひとり居酒屋で熱燗を傾け再起を誓う」とはスケールと力強さが違いますね!

  2. C&P より:

    「ひとり夕暮れの農園で再起を誓う」名シーンがラストだと思いきや、これがインターミッション前のド中盤なんですよね。曲作りで例えるなら「この大サビをここで使ってあとどうすんの?」と。当方なら裸足で逃げ出す状況ですね。ここは当方も場末の居酒屋にて再起を誓いたいと思います。ハイボールを掲げて、完敗ッ!!