2012

Cinema

(2009年/アメリカ)

「◯◯年××月△△日に世界が終わる」という予言はよくありますが、それを映画にしたのがこれです。Wikiによると「古代マヤ人が2012年の冬至ごろに訪れると予想した人類滅亡に関する幾つかの仮説を元に製作された」ということです。ちなみに主役は良い役も悪い役もニュートラルにこなせる中間色俳優、ジョン・キューザック氏です。

この手の映画はこれまであまり観てこなかったのですが、「インセプション」とか、圧倒的なSFX(最近はVFXというのかな?)を見せてくれる映画は好きなんですね。

そういう意味ではこれも地球崩壊の映像が凄かったです。ジャケにもありますが、地割れ、噴火、中国の山奥まで到達する大津波・・・圧倒されます。

そこに「ノアの方舟」が絡んでくる。そうなると「舟に乗るのは誰だ」という話になって人間の性のようなものがクローズアップされます。

この映画の感想をネットでみると「金を持つものが救われるというクソ映画」みたいなのが結構ありましたが、そうなのかな?と。

例えば大金持ちのおじさんと若い妻がいて、結局おじさんだけが舟に乗り込む。「お前の浮気をワシが知らなかったと思うのか!」と叫びながら。でも状況が一転して、逆に妻の方が舟に滑りこんで、おじさんが乗れなくなってしまうと、今度は妻がおじさんに向かって中指を立てる。「ざまあみろ!」と。これを見て「金持ち斯くあるべし」と思いますか、と。お金の有る無しというより、人としてどっちもどっちじゃないか、と。

つまりこの映画は「世界滅亡のときがきたらこうなるべきだ」ということをいっているのではなくて、「こうなることが予想されますが、貴方は何を感じますか」ということがテーマなんですね。

「トロッコ問題」みたいなもんです。あれに対して「人を殺すことを肯定するクソ問題だ!」と怒る人はいないわけで、この映画に対して「クソ映画だ!」と怒っている人は映画が提示している「設問」に対して全力で「否!」という回答をしている、要するに「クソ映画」に一番ハマっている善き人と云えましょう。

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