ビューティー・インサイド

Cinema

(2015年/韓国)

『俺たちに明日はない』のボニー&クライド、『明日に向かって撃て!』『スティング』のポール・ニューマンにロバート・レッドフォード、『最高の人生の見つけ方』のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン、『最強のふたり』や『グリーンブック』・・・映画には「ずっと見続けていたいコンビ」がときどき登場しますが、今回のウジンとイスもそんな二人になりそうです。

ヒロインのイス役はハン・ヒョジュ嬢。そしてウジンにはなんと俳優総勢123人1役。映画ポスターにあるとおり「目覚めるたびに姿が変わってしまう僕が、ひとりの女性を愛してしまった。」というわけで。

性別・年齢・人種関係なしなので、まさに老若男女オブインターナショナル。そして映画のターニングポイントとなるシーンで、日本より上野樹里嬢が登場。

日々姿が変わることを告白され、驚いて出て行ったヒロインが再び戻ってくると、扉を開けたのはウジン樹里。満面の笑顔かと思いきや、「なんで戻ってきた」とでも言いたげな無表情。不安になったヒロインが、わたしのことが好きなのかと問うと、日本語でぽつり「好きだよ」。そして二人は一夜をともにします(変な意味ではなく)。イスとともに我々観客もグッとウジンに心掴まれるシーンです。

ウジンの唯一の友人サンベクの好きなタレントが蒼井そら(!?)だったり、家具でも特に椅子デザイナーのウジンが心惹かれる女性の名が「イス」だったり(たまたま?)、前述の樹里嬢であったり、本作の「日本びいき」が単純に嬉しかったりします。

そしてこの映画、『最高の人生の・・・』もそうですが、いわゆるヒールが一切出てきません。さらにはあのマネージャーのように、友人サンベクの存在が隠し味になっています。いい加減なように見えて、筋が通ったところがあって。

イスのまるで花がほころぶような笑顔とともにいつまでも心に残る作品と言えましょう。

コメント