(2016年/アメリカ)
奥菜恵さんのような雰囲気のベル・パウリー嬢演ずる主人公はIQ185、飛び級でハーバード大学を卒業した19歳。あまりのエリート意識が災いして恋人も友達もおらず就職もままならず。父親の友人のカウンセラーから「幸せになるためにやることリスト」を課せられて・・・というストーリー。
「やることリスト」といえば、あの『最高の人生の見つけ方』(2007年)が浮かびますが、本作のリストは「ペットを飼うこと」「友達を作ること」「大晦日を誰かと過ごすこと」などライトな内容で、金魚を飼ったり、弁護士事務所の職員と友達になったり、隣室の居候の音楽家青年とクリスマスや大晦日を過ごしたりと割と簡単にクリアしていきます。
確かにリストをクリアしていく過程でギクシャクしていた父親との関係が改善したりはするのですが、それもそれくらいで改善するなら別にリストに頼らずともそのうちどうにかなるような感じです。
そもそも、優秀すぎる主人公と普通の人たちの「格差」をどう捉えるべきなのかはっきりしないまま「幸せになること」を強要される主人公と同様、「なぜ普通に合わせる必要があるのか」が観ているこちら側も腹落ちしません。
何となく上手くいきそうなラストに少し満足気な奥菜パウリー嬢の大きな青い瞳を見つめながら「本当にそれでいいの?」と思ってしまうのは、きっとおじさんの老婆心なのでしょう。
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