(2015年/イギリス・アメリカ)
ジャケ写というかタイトルがずっと気になっていた一作。まあスパイ映画なんだろうなと思いきや、まさにド・スパイ映画。007さながらの冒頭のアクションシーンが爽快です。WikiPediaによると1960年代のテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイクなのだそうです。
音楽の使い方がお洒落なのは、マドンナの元旦那さん(=哀しき形容詞)ガイ・リッチー監督の真骨頂ですね。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)、『スナッチ』(2000年)も爽快感のあるお洒落な映画でした。でも『リボルバー』(2005年)、『シャーロック・ホームズ 』シリーズ、『アラジン』の実写版(2019年)となんだか節操がないような気もしますが。
アメリカとロシアのスパイと美女が主役ということで、孤軍奮闘の007というよりは「ルパン三世」テイストですね。
美女役は不二子ちゃんのようなグラマーではなく、実に華奢なアリシア・ヴィキャンデル嬢。なんだか吉川ひなのさんのような雰囲気ですが、観ているときはハビエル・バルデム氏の奥さん、ペネロペ・クルス嬢なのかなと思ってました。目力があってキュートで。まさに小悪魔ですね。
このアリシア嬢、あの『エクス・マキナ』(2014年)のエヴァ!ということはトゥームレイダー最新作『ファースト・ミッション』(2018年)のララ・クラフト嬢でもあられます。全く気がつかなかった。まあエヴァは毛髪がなかったですし、ララも徹頭徹尾タンクトップ姿ですからね。
映画はちゃんとしたスパイ映画をやろうというよりは「どうせ60年代のリメイクなんだから」という割り切った作り方で、たとえば悪党の根城である三日月型の孤島(!)に潜入するシーンは画面を縦横自在に分割して「なんやかんやで敵の元まで辿り着きまして」という具合にスタイリッシュに割愛しちゃってます。普通に考えればそういうシーンってスパイ映画の見せ場でもあるはずなんですが。
最後の最後でタイトルの意味が分かる(分からない?)のも楽しいですね。穿った見方をすれば「続編」ありきなラストですが、今のところ作られてないみたいです。まあ、これ以上やりようがないでしょうけれど。
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