(2023年/スペイン)
人生に疲弊したようなタクシードライバーのおじさん。今日最後の客を空港に送って「たまには気晴らしにランチでも」とこちらも疲れた奥さんからの電話にも生返事。そろそろ帰るか・・・と、その瞬間空港が大爆発!
パニック状態の現場で負傷者の若者をタクシーに運び入れたところで、銃を突きつけられ「車を出して、国外へ行け」。なんとその男は爆弾テロ実行班の生き残りだった・・・。
もうこれ以上ないくらいに掴みはバッチリで、みるみる映画に引き込まれます。くすんで青みがかった画面も登場人物たちそれぞれが抱える「救いのなさ」を表現しているかのようで効果的です。
そんな登場人物たちのキャラクターもその言動から端的に伝わってくる脚本がまた上手いですね。
不幸なタクシードライバーとテロ犯を乗せた車が山道で崖から転落したあたりから物語もまた一転します。
終盤からラストはいささか拍子抜けな感じはありつつもそれまでの途切れない緊張感はお見事でした。
それにしても原題『Todos los nombres de Dios(すべての神の名)』に対して、身も蓋もないこの邦題こそ拍子抜けですよねぇ。

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