(1990年/アメリカ)
ロバート・デ・ニーロ氏が続きます。これもずっと気になっていた作品。監督はギャングもの大好き、マーティン・スコセッシ氏!観ていて、何だか既視感があるなと思ったら同監督、デ・ニーロ氏とジョー・ペシ氏、同じ原作者で撮った「カジノ」(1995年)を観ていたからでした。
主役は本作が出世作となるレイ・リオッタ氏。主役というにはちょっとバランス感覚の欠如を感じさせるのが本作には合ってたんでしょうね。これが「ブラックスキャンダル」のジョニー・デップ氏みたいになると頭の先から爪の先までワルなので、映画のノリが硬直しちゃう気がします。もう傍観するしかない、というような。
その点、本作では坂上二郎氏をそのままギャングにしたようなジョー・ペシ氏の怖さがボケとなっていて色んな意味でドキドキハラハラさせられますし、リオッタ君の妻役ロレイン・ブラッコ嬢のエキセントリックな演技も火花のようです。
日本のヤクザ映画と違って、何だか悪ガキがそのまま大人になったような無邪気さがコミカルでもあり、恐ろしくもあり、いつもながら日本人には理解しがたいギャングワールド。
そんな中、デ・ニーロ氏は安定感のある演技で周囲に不安感を漂わせる重石の様。斜に構えてこっちを見ている図は「タクシードライバー」(1976年)で鏡を前に一人拳銃を構えてシュミレーションするあの名シーンを彷彿とさせます。
話は逸れますが、たまたまYouTubeで見たNumberGirlの無観客ライブでボーカルの向井氏がそのシーンの真似をしていたのが面白かったです。チョイスが渋いですし、わざわざ拳銃まで用意して。
閑話休題。映画で使われていた音楽も良かったですね。ギャング映画で「いとしのレイラ」のピースフルなリプライの部分が使われるのか、と。出だしのリフの部分ならまだしも。
ギャング映画は苦手なのですが、体調の良いタイミングを見計らって消し込んでいる感じです。よし、これで1本減った。
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