(1971年/アメリカ)
あのスティーブン・スピルバーグが若かりし頃に監督したテレビ映画です。「追い越ししたトラックにひたすら追いかけ回される」というこれ以上ないシンプルなストーリーのサスペンス作品。これをヤング・スピルバーグ監督がどう料理しているか、というのが注目ポイントです。
DVDに入っていた監督インタビューでは「スケジュールがタイトで13日で(本当は10日で撮るつもりだった)撮ったんだ」と語っておられましたが、冒頭のブラックアウトの車庫からバックで道に出て、都会を抜けてどんどん郊外に出て・・・というシーンからずっと気持ち良く目が離せない。トンネルに入って画面が暗くなるタイミングでスタッフテロップが出るところなんて、いいですよね。「トンネル、来るよ、来るよ・・・はい、出たぁ」とやっていると自然に映画のリズムに乗せられていく。
「ヒッチコックの『サイコ』や『鳥』のトラック版だ」というスピルバーグ監督。観客へのサービス精神もしっかり継承されておられます。画面を見ているだけで観客は何も難しいことを考えることなく「怖さ」が迫ってくる。
で、最後にはきっちりと主人公が勝利して、「あぁ、怖かったけど面白かったねぇ」というカタルシスもきちんと得られる、と。まさに、これぞ娯楽=エンターテイメント。さすがです。
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