(2009年/アメリカ)
「King of POP」マイケルジャクソンのツアーリハーサルを収録した映画。2009年夏から行われるはずだった「THIS IS IT」ツアーは同年6月のマイケル急逝のため中止となりました。
そもそも、マイケルジャクソンに興味がなかったので観ることはなかったのですが、会社の人がこの映画を観てマイケルが好きなったと言っていたので。
まぁさすがKing of POPのコンサートともなると、何もかもが世界最先端。ダンサーのオーディションには世界中から人が集まってきます。オーディション前のインタビューで「憧れのマイケルと踊れる可能性がある」というだけですでに涙を流している人も。しかし選ぶ方もあれだけの人数が一斉に踊ってよく選べるなぁ、と思う。
そんなダンサーたちも含めたコンサートリハーサルは客が入っていないだけで本番さながらです。マイケルも多分抑え気味に歌っているんでしょうけれど、全くそれを感じさせない歌とパフォーマンス。あれは踊りじゃないですね。身体が自然に反応してるとしか思えません。いちいち頭で考えてたらあんなに動けない。
「USA for Africa」のときも思いましたが、完璧主義なマイケルなので当然、自身のコンサートともなればピリピリした場面もしばしば見られました。が、「怒ってるんじゃない。『愛』なんだ」とか「曲のためなんだ」という言葉でグッと自分を抑えているのがよく分かりました。
リハーサルとはいえ、というかリハーサルだからこそ垣間見られるマイケルのバックグラウンドな姿とかプロフェッショナルな部分などがよく分かりました。最後にメンバーやスタッフが舞台で円陣を組んで「じゃあ本番よろしく!」というようなシーンでは涙を禁じ得ませんでした。
世界中で彼のコンサートを待っていた人たちや、彼とコンサートが出来ることをあれほど望んでいたメンバーやスタッフの思いが結局果たされることはなかったわけです。こういう映画が公開されたことがせめてもの慰めになるんでしょうね。
正直なところマイケルの音楽にはやっぱりそんなに興味はないわけですが、ひとりの天才の死の直前に放つ光を収めた貴重な映画、ということなのでしょう。
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