ハッシュ!

Cinema

(2002年/日本)

これは前からずっと気になっていたんですね。確か「面白い映画」という検索ワードで引っ掛かっていたんじゃないでしょうか。

予備知識なしだったのでどちらかというと「タイムマシンブルース」のような凝ったストーリーものなのかと思っていたのですが、「子供が欲しい独身女性と、ゲイのカップルのドラマ。」(WikiPedia)

ゲイのカップルを田辺誠一さんと元男闘呼組の高橋和也さんが演じています。何とも言えない絶妙な配役ですね。

特に高橋和也さんはどんな演技をするんだろう、と注目していたのですが、「こういうタイプの人って確かにいるよな」という気にさせられました。自分の目の前のことにはキチンと対処せずにはおられなくて、そうでない人を見るとイライラする、というような。繊細じゃないけど細かい、という。

とはいえ「子供が欲しい独身女性と、ゲイのカップルのドラマ。」というのは個人的には理解の範囲を超えている世界なので、どちらかというと外から目線でずっと観ていたわけですが、それがグッと惹き込まれたのが部屋に関係者が一堂に会して秋野暢子さんがブチ切れるシーンです。

NHKの連続ドラマ小説「カーネーション」の尾野真千子さんのブチ切れ方にも通ずるような、「うわっ、この人、いま腹の底から怒ってるわ」という気迫を感じました。

このシーンで、それまで恐らく大方の観客が感じていた「君ら、ワシらがよう分からんことを何チンタラやっとるん?」という気持ちを代弁することを通り越して、「いやいや、まぁそこまではっきり言わんでも、人それぞれ色々あるんやさかい」と主役トリオにシンパシーさえ感じさせちゃうんですね。凄いウッチャリパワーです。

そういえば、この映画の実に個性的な主題歌「Hush」を歌っているボビー・マクファーリンはあの「Don’t Worry, Be Happy」の人ですね。

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