Cinema

(1964年/日本)

たまたま久し振りにGYAOで面白い映画がないかと見ていたところ、「おとなの大映祭」としてこの作品がありました。まぁ「おとな」なのでいいだろう、と。

もちろん谷崎潤一郎原作のセクシャルな作品だということは知っていたのですが、具体的な内容は全く知りませんでした。

若尾文子と岸田今日子主演の女性同士の同性愛をテーマとした作品ということで、まぁそういうシーンもあったりするわけですが、同性愛がテーマというよりは、ポイントは同性愛も含めた愛憎が卍の如く絡まり合ってお互い「疑心暗鬼」に陥ることの恐ろしさ、ということなんですね。

そういう意味では先日に観たヒッチコック監督の『断崖』にも通ずるものがあるわけです。

この「疑心暗鬼」という蟻地獄に一度落ちてしまったが最後、そこから抜け出すのは至難の業なのだ、と。なぜならその罠というのは(きっかけは外部起因だとしても)外にあるのではなく、自分の心の中にあるからです。自分の心からは逃げられない。怖い話です。

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