インベージョン

Cinema

(2007年/アメリカ)

まずは何と言ってもキャストが豪華です。主役はニコール・キッドマン嬢。その仕事仲間が007ダニエル・クレイグ氏。凄いですね。

『盗まれた街』という小説の4度目の映画化作品、ということでストーリーもすっかりこなれているはずなのですが、正直なところ「このキャストで4回も撮るような映画なのか」と。

タイトルが示すとおり、周りの人たちがどんどん「宇宙人」化していくという内容なのですが、宇宙人化すると表情が無くなるので、無表情を装うと宇宙人に悟られない、というような雑な設定であったり、至るところでB級感が漂よいます。

そんなフワフワと視界を塞ぐB級感をかき分けるかのように走り回るニコール・キッドマンをただひたすら見ることに価値のある映画です。いやいや本当にそれだけでも観る価値がありますね。まったく個人的な好みですが。

そして相変わらず007ダニエル・クレイグ氏は往年のスーパーマン・クラーク・ケント氏を彷彿とさせる「健全安全好青年」ぶり、実に鼻につきます。これまたまったく個人的な好みですが。

ラストもなんとも中途半端なゆるゆる感、B級映画に相応しいエンディングと云えましょう。

ただ現実社会でも街ゆく人たちはみんな「無表情」ですよね。そういうのを「宇宙人」として揶揄する意図があったりするのかな・・・と思ったりしたのですが、いいえ考え過ぎです。誰が何と言おうと純度100%天然物のB級映画です。

コメント

  1. OJ より:

    宇宙人になると無表情になるという設定に好感が持てます。喜怒哀楽が激しい奴らなら何となく上手くやれそうな気がしますしね。
    インヴェイジョンと言えば、80年代に起きたイギリス人アーティストたちによるアメリカンヒットチャートの席巻の事を「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と、まだ髪の毛があった小林克也氏が説明していたことを思い出しました。因みに最初のブリティッシュ・インヴェイジョンはビートルズだそうです。
    小林克也氏も髪の毛がなくなり、豊富な知見を思うようにまくし立てる事もかなわなくなってきましたが、それもまたいい味を出しています。インヴェイジョン繋がりで別の話になってしまいましたが、ご容赦願います(笑)

  2. C&P より:

    そうなんですよ、向こうがオラオラ系ならこっちも腕まくりして「いっちょ、やったりますかっ!?」となりますが、無表情ですからね。しかしそんな奇抜な設定で創造力の全てを使い果たしたのでしょう、あとは「策士策に溺れる」、その設定を生かし切れずに終わっちゃいました。
    宇宙人化すると表情が無くなるのと同様に、小林克也氏も髪の毛が無くなると豊富な知見が鳴りをひそめるというのもこれまた不思議な話ですね。
    小林克也氏というと、当方が子供の頃、ジョンレノンの「イマジン」を英詩の朗読でカバー(?)していたのが印象的でした。髪の毛があったかどうかまでは残念ながら印象に残っていないのですが。