ダーク・シャドウ

Cinema

(2012年/アメリカ)

ティム・バートン監督&ジョニー・デップのタッグ8作目は、1970年頃にアメリカの放送されていた昼ドラ『Dark Shadows』が原作とのこと。

200年前のイギリスで貴族だったモテモテのジョニー氏がメイドの恨みをかって吸血鬼にさせられ棺桶に閉じ込められます。時は流れて1972年、工事でたまたま棺桶が開けられて復活した吸血鬼ジョニー。200年振りに戻った城は随分と落ちぶれて・・・という展開。ね?どうでもいいでしょ?

キャストは実に豪華です。女城主のミシェル・ファイファーさんはあの『スカーフェイス』(1983年)でアル・パチーノの妻役。精神科女医ヘレナ・ボナム=カーターさんは先日の『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)の可愛いお母さん役。この人はティム監督とお付き合いされていたようです。家庭教師役のエヴァ・グリーン嬢は『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)のボンドガール!

そして女城主の娘役は『キックアス』(2010年)のクロエ・グレース・モレッツ嬢。

そんな豪華メンバーを使いながらも、なかなか没入感を得られないまま映画は進みます。コメディっぽい演出も笑っていいのか迷わされたり、ラスト間際の「実はモレッツ嬢が」という展開もなんだか取って付けたようでしたし。

しかしながら徹頭徹尾、監督一流の濃厚で艶のある画面は堪能できます。音楽で言うならこれはもうヘヴィメタルの様式美の世界ですね。あのサウンドさえがあれば、正直なところ「歌詞の内容は・・・」とか誰も気にしない、あの感じです。

監督最新作もネタはまさかのあの「ダンボ」・・・きっとこれもヘヴィメタルな仕上りなのでしょう。

コメント

  1. OJ より:

    吸血鬼は日本でも人気がありますよねw 物凄く強いのに適度に弱点があるところや、姿形が人間で気品があるところ(大抵というか間違いなく美男美女)、どこかに人目を忍んで生きてそうな雰囲気もあり、惹かれるものと思われます。
    なのでストーリーは別としても「濃厚で艶のある画面」であれば、吸血鬼映画度ランクは高いのではないでしょうか。
    それにしてもCPさん映画お詳しいですね!錚々たる役者さんの中でジョニー・デップさんしか知りませんでした(笑)

  2. C&P より:

    「物凄く強いのに適度に弱点があるところ」「姿形が人間で気品があるところ」OJさん一流の的確な分析ですね!仰る通りで、逆に無敵すぎるブッサイクの映画なんて誰も見たくないですもんね。「こっち見ずに勝手に暴れてろ!」という感じで。
    役者さんは、邦画がどれを見ても役所広司と橋本環奈ばかりのように(そうでもないですか?)、洋画でも「あれ?この人どっかで見たな」ということが多いので、いつしか「毎度!」みたいになるんですね。サスペンスばかり観ていた頃は夢の中までサミュエル・L・ジャクソンでしたから。