(2015年/アメリカ)
これもウディ・アレン監督・脚本作品。
原題Irrational Manは「理不尽な男」とか「ばかげた男」という意味ですが、これがなんでこんな薄っぺらい邦題になるのか不思議です。まぁコメディという意味の「おかしい」とばかげたという意味の「おかしい」をかけているのでしょうけれど。
哲学科の教授役ホアキン・フェニックス氏(公開当時41歳)のお腹の出具合が気になって仕方ありませんでした。「あぁ、こうなったら男もおしまいだな」と。多分客観的に大画面で見せられたら当方も瓜二つだと思いますが。
そんな腹ぼて教授に何故か恋い焦がれる可愛い女子大生はあのエマ・ストーン嬢。ウディ・アレン監督作品では「マジック・イン・ムーンライト」でコリン・ファース氏と共演してましたし、最近の「ラ・ラ・ランド」で一世を風靡した方。エマ嬢を見ているだけでも十分楽しめます。
YouTubeで彼女がこの作品についてインタビューを受けている動画があるのですが、映画の中の彼女の輝きはそこにないんですね。女優の凄さなのか、監督の引き出し方の上手さなのかやっぱり映画は凄いな、と。瞬きするのが勿体無いような、あの輝きをずっと見せ続けてくれるのですから。
内容としては「悪い奴を殺すのは善なのか悪なのか」「生きることを諦めたような男が人を殺すことをきっかけに生を取り戻すという理不尽さ」というようなテーマを分かりやすく提示してくれています。
教授が「哲学的世捨て人」から「単なる欲望おじさん」に変わっていくにつれ、エマ嬢の教授に対する顔付がは「忘我の人」から「嫌悪」へと明快に変わっていきます。男も男ですが、女の人の変わりようというのもこうして見ると実に怖いですね。
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