(1952年/フランス)
「死ぬまでに観ないと名作シリーズ」ですね。どう考えても不幸感が漂うので敬遠していた作品で、ほとんど予備知識なしに鑑賞。
ギター1本によるテーマ曲『愛のロマンス』が有名で、アコギ版『猫ふんじゃった』ともいえる初心者向けソング。この曲を聴くとどうしてもクロードチアリが浮かぶのですが、本作はナルシソ・イエペスさんによる編曲・演奏です。Aメロは弾けても、Bメロに入ってコードが変わると途端に弾けなくなるんですよね。当方ももちろんその一人。
ドイツ軍の爆撃を逃れて疎開中の車や人の波を襲った機銃掃射により、一瞬にして両親と子犬を失った5歳の少女の物語・・・ということで予想通りの不幸感漂う出だしですが、我慢して観ていると、ひょんなことから少女を引き取ることになった農家ファミリーのキャラクターなど若干のユーモアも散りばめられていてホッとします。
何よりも子役の二人が可愛くて演技も秀逸です。5歳の女の子に「突然孤独になった子どもを演じてほしい」と言って出来るもんでしょうか。ラストシーンの表情にも釘付けでした。
並べて言うのもなんですが、瀕死の子犬のプルプルした演技(?)やフクロウの達観したような佇まいも凄かったですね。
作品としては「反戦映画」という評価らしいのですが、戦争的なシーンは冒頭だけで、あとは農家の家族劇がメインということもあって正直なところピンときませんでした。どちらかというと宗教心とか死の方がテーマのような。十字架にこだわったり、それを巡って神父が子どもをぶん殴ったり・・・まあ現在では作れない作品ですね。
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