(2003年/イギリス他)
有名なフェルメールの絵画『真珠の耳飾りの少女』、一時期当方のPCのデスクトップの壁紙にしていたくらいなのですが、さて一体どんな映画なのでしょう。
「少女」を演ずるのはスカーレット・ヨハンソン嬢!そしてフェルメールにはコリン・ファース!!実に豪華な取り合わせです。
映像もフェルメールならではの自然な光を忠実に再現した絵画のような繊細さで、一瞬映画を見ているのか絵を見ているのか分からなくなるくらいでした。
しかしながら、映画で描かれる人物もまさに「絵」のようなんですね。「少女」もフェルメールも最初から最後までオドオドしっぱなしですし(相変わらず苦虫フェイス全開のコリン氏)、いじめ担当のフェルメールの娘もドアの陰から意味ありげに見つめているだけですし、色欲担当パトロン爺さんのセクシュアルハラスメントも中途半端ですし・・・全員「2次元・平面」住人ばかり。
そもそもこの絵画の「少女」は身元不詳で、メイドだったのではないかという想像で書かれた小説が原作となっています。どうせ想像ならもっとちゃんと想像すればいいものを「メイドだったりして!」というところで想像力の全てを使い果たしてしまったのでしょう、きっと。
そんな登場人物たちのステレオタイプぶりを忠実にトレースした本作。「映画で絵画を表現しちゃったりして!」というところで情熱の全てを使い果たしてしまったのでしょう、きっと。
WikiPediaによると、評論家の総意として「視覚的に捕らわれるが、物語はもう少し強く語ることができた」・・・仰る通り。
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