会社で携帯にウーロンさんからのメールが入る。
「レピッシュの上田現さん肺癌のため亡くなったそうです」
思わず絶句する。亡くなった?現ちゃんが?仕事は山積みだったですが、屋上で煙草を吸う。
思い起こせば、高校時代にバンド仲間の松本くんが「レピッシュのコピーをやろう」と言い出したのが、上田現氏との出会いでした。
「ライブで暴れまくる」「しなるKX(=MIDIキーボード)」という音楽雑誌の記事を読んでいたので、レピッシュのファーストを聴いたときには、「どうやってこんな曲で暴れられるんだ?」と思ったのを覚えています。「ガンジー」とか。
セカンド以降からは、どちらかというと分かりやすい曲を書くギターの狂市氏と、何ともいえないシュールさとマイナー感を感じさせる現氏との曲の違いが見えてきて、個人的には現氏の曲の方に惹かれていたように思います。「パーティ」とか「ハーメルン」とか「タンポポ」とか「水溶性」とか。
「パーティ」という曲は、夜中の遊園地に忍び込んで、守衛のおじさんを縛って、遊園地の電源を入れて、ひとりで踊るというものです。真っ暗な遊園地が突然輝き出して、その中をひとりで踊っている様が目に浮かんできて、それがなんともいえずに哀しい曲です。「分かるよ」という感じなんですね。
私も上田現先生の曲作りのスタイルやキーボードプレイやアレンジにはすごく影響を受けました。昔やっていたバンドでは、そのまんまの曲とかも作ったりしてました。
拙作「ヒトサライ」は、たまたまパチンコ屋で出会った女の子を連れて、車で海を見に行って、家に帰ったら「ヒトサライ」になっていた、という詩で現先生のアイロニーを当時意識して書いた覚えがあります。
そんな現先生がレピッシュを2002年に脱退してしまい、あまり興味がなくなってしまいましたが、例の「ワダツミの木」で売れたのを見て、「良かったねぇ、やっと世間が認めてくれたね」と我が事のように喜ばしく思っていたのも束の間、突然の訃報・・・。
47歳、あまりにも早すぎるご逝去に心よりご冥福をお祈りいたします。素晴らしい曲たちを本当にありがとうございました。
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