あおい

Book

西加奈子(2007年/小学館文庫)

西加奈子さんのデビュー作になります。タイトル作を含む3篇収録。

『あおい』
主人公の「わたし」にも、その彼のカザマ君にも、登場人物の誰にも感情移入できなくて、物語にも入っていけなくて表面をビャーッとなぞって終わってしまいました。

西さんの作品の登場人物は、出てきたときは「うわぁ、あんまり好きじゃないなぁ」と思いながらも、物語が進むにつれて「あ、結構良い奴かも」と思わせてくれるのですが、この小説ではどの人も最後まで「あんまり好きじゃないなぁ」と。

「わたし」もカザマ君も、これから生まれてくるであろう「あおい」ちゃんも、この先幸せになれるような予感がしなかったです。

『サムのこと』
これも登場人物の誰が誰だかよく分からなくて全く物語に入っていけませんでした。LGBTといったマイノリティのお話なのだと思うのですが、突然プロレスを見に行くエピソードで主人公の「僕」がサムに激高する場面があんまりにも唐突で「一体何があったんだ?」と。

『空心町深夜2時』
地元大阪が舞台なので「あぁ、あの辺のあのお店かな」と思いながら。最初に「にんにく」が出てきて、堪らなくにんにくラーメンが食べたくなります。深夜2時の幹線道路、雨、主人公の「うち」が彼を置いてひとり東京へ行く前夜・・・「大阪ベイブルース」のようなセピア感があります。でもなにしろラーメンが頭から離れなくて、これまた物語に没入できないのです。あぁ・・・。

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