きいろいゾウ

Book

西加奈子(2008年/小学館文庫)

又吉直樹さんが「西さんの小説って、ちょっとしんどそうやな、いう主人公ばっかりなんですよ」と仰ってましたが、今回も日常生活に支障はないものの心臓に病があるちょっと情緒不安定な妻の「ツマ」さん、それをふんわりと支える坊主頭で背中に鳥の入れ墨のある小説家「ムコ」さんの物語です。

で、この「ツマ」さんが動植物と話が出来るんですね。西さんの小説の主人公って、霊が見えたり、動物と話が出来たりする人が出てきますが、全くスペシャルな感じじゃなく、読みながら「あれ?誰と喋ってるんだろう」と思ったら相手が野良犬だったりしてビックリします。ムコさんも「ツマが縁側でずっと誰かとしゃべってるなぁ」みたいな感じでなんとも自然です。

いつもの関西弁丸出しの会話も面白すぎて何度も吹いてしまいました。9歳の大地君に披露する「恥かしかった」エピソードとか、もう西さんのトークをそのまま聴いているような感じでした。「さんまのまんま」とか面白かったですからね。

と笑わせながらも、微笑ましい夫婦が徐々にすれ違う中盤から怒涛の終盤は泣かされちゃうんですね。あぁ、デトックス。

ベタですが「笑いあり、涙あり」、そして「気付きあり」を1冊で堪能させてくれる西さんの作品、堪能させていただきました。

コメント