西 加奈子(2011年/角川書店)
西さんはよく「美醜」をテーマに取り上げられますが、本作も「ブス」なきりこさんが主人公の物語です。
椎名林檎さんとの対談で椎名さんが「西さんの作品の登場人物は最初の印象とどんどん変わっていくのが凄い」という主旨の発言をされていますが、まさにそのとおりで、きりこさんも中盤くらいまで「うわー、この子ちょっとしんどいなぁ」と思わせて、どこかでそのしんどい「捻じれ」のようなものが修正されるのかというとそうではなく、実は読者の自分も含めて彼女の周囲の方が実は捻じれている側だった、と。
西さんのストーリーにはそういう「ドンデン返し」のような展開があって、本作も一気に読んでしまいました。いつものように時々泣かせられながら。
それにしても、言うに事欠いてモデル出身の女優「カニィちゃん」とは!?
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