あるメイドの密かな欲望

Cinema

(2015年/フランス・ベルギー)

敢えて違う方の邦題のジャケ写を使っておりますが、原作はフランスの作家オクターヴ・ミルボーさんの「小間使の日記」。あるサイトの情報によるとWOWOW放送時にそっちっぽい映画だと誤認させるために付けられた邦題が「あるメイドの密かな欲望」とのこと。ありがちな話です。ちなみに当方は誤認ゆえに鑑賞したわけではありません。ぐぅ。

主役はのっけからこれみよがしに不機嫌な表情が印象的なレア・セドゥ嬢。絶対初見だよな、と思っていたら「イングロリアス・バスターズ」「ミッドナイト・イン・パリ」「グランド・ブダペスト・ホテル」に出演。他にも「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「アデル、ブルーは熱い色」「美女と野獣」「007 スペクター」のボンドガールと錚々たる映画に出演されている方でした。

なぜにこんなにも不機嫌そうなのかは中盤くらいに挿入されるエピソードから想像できるのですが、それにしてもよくこれで小間使いが務まるな、というレベルです。つまり雇う側も彼らを「仕事人」として見ていない、平たく言えば「奴隷」としか考えていないということなのでしょう。奴隷に愛想もクソもない、憎しみの感情で働くのが当たり前だと。

という小間使いセドゥ嬢がある御屋敷に派遣され、そこの古株のおっさん小間使いと駆け落ち(?)するまでが描かれます。派手ではないですが、色彩がくっきりとした綺麗な映像とほとんど無音のようなBGM、抑揚に欠けるストーリー展開と「フランス映画」らしい雰囲気です。だいぶ慣れましたが。

そんななのでひょっとしたらおっさん小間使いを待ち続けるところで終わっちゃうかもと思いきや、ちゃんとお迎えが来て馬車に乗り込んだところで終わったので、まぁそうか、と。

フランス映画って「え?そこは『。』じゃなくて『、』のとこちゃうの?」というところでエンドロールが流れ出したり普通にしちゃいますからね。

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