ゆりかごを揺らす手

Cinema

(1992年/アメリカ)

これも「何回も見かけるので観てみました」な一本。ホラーサスペンスかと思ってましたが、幽霊の類いは一切現れず、怖いのはやっぱり「人間」なのでした。

多岐川裕美さん似のレベッカ・デモーネイが夫と我が子と子宮を失った復讐のため、柏原芳恵さん似のアナベラ・シオラ宅へベビーシッターとして入り込み、表面的にはあくまで美しく親切な女と見せながら、執拗なあの手この手で柏原さんを追い詰めるという内容。


全体的にも部分的にもどこかで見たような・・・と思ったら「エスター」でした。ひとり、トイレで暴れまくって「良い子」のストレスを発散するシーンとか温室とか。

ちょっと古い映画だけあって、ストーリーや演出も割にシンプルで、「絶対、この黒人のお兄さんが土壇場で助けてくれるはずだ」という伏線も拍子抜けするくらいにそのとおりでしたし、「あれは一体なんだったんだ?」的なストレスはありませんでした。

ネットでの解説でも「柏原ファミリーが無防備・能天気・育児放棄過ぎ」という感は否めず、ストーリーや演出のシンプルさほどには、いわゆる「勧善懲悪」で収まらないテーマを感じました。映画のタイトルにもなっているマリーンの「ゆりかごを揺らす手は世を支配する手なのよ。気を付けなさい」も印象に残るセリフでした。

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