アイズ ワイド シャット

Cinema

(1999年/アメリカ・イギリス)

トム・クルーズ氏とニコール・キッドマン嬢という当時実夫婦だった二人の共演、スタンリー・キューブリック監督の遺作というトピックな作品。

のっけからニコール・キッドマン嬢の全裸でスタート。「一体どういうレイアウトなんだ?」とつっこみたくなるトイレに座ったキッドマン嬢とトム氏の会話。どこからどう見てもパーフェクトな夫婦でありながら、パーフェクトに堂の入った倦怠振りです。全裸で欠伸を放つキッドマン嬢。旦那じゃなくても「嗚呼・・・」ってなっちゃいますね。

ストーリーは至ってシンプルで(以下、ネタバレ注意)、そういう倦怠状況な夫婦がパーティでお互いのモテモテ振りにイラっとして、妻は不貞な「想像」をしたことがあると告白。あくまで「想像」なのに想像以上のショックを受けた夫は「想像」を「妄想」しながらクリスマスイブの街を徘徊。

患者の娘や娼婦や仮面乱交パーティーや娼婦の友達やホテル受付のゲイに至るまで様々な誘惑に晒されながらも寸でのところで不倫回避。しかしながらパーティーで自分をかばった女性の死(それも妄想かもしれない)で耐え切れず、泣きながら妻に全てを告白。とはいっても結局不貞なことは何一つしていないのですが。

妻も何故か少しもらい泣きしながら、「何はともあれ私たちは何とか乗り切ったということよ。ということで早速やらないといけないことがあるわ」と言い、ラストのセリフとなります。そしてこれは前述の通り、名監督キューブリック氏の映画でのラストワードでもある訳です。

村上春樹さんの小説でもそうですが、女の人ってときどき「根拠のよく分からない確信的な預言」をすることがあると思いませんか。男の折れた心に刺さる、それはまさにご神託のような。

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