アフリカの女王

Cinema

(1951年/アメリカ・イギリス)

アフリカの教会でオルガンを弾く神経質そうな女性。河をボートがやってきて、むさ苦しいおっさんが入ってくる。「おいおい、この人たちがまさか主役じゃないだろうな」という不安はずばり的中。

ドイツの艦船ルイザ号を爆破するべく、二人で「アフリカの女王」号に乗り込んで河を下る珍道中。船の上でもエキセントリックなオルガン弾きローズは、おっさんの酒を全部河にぶちまけたりする。これには変に寛大だったおっさんも堪らず「このガリガリばばあがっ!!」とブチ切れる。そりゃそうだろう。船に男女が二人きりというシチュエーションであれ、ロマンスなんかはあり得ない。見たくもない。

しかしそんなささやかな願いは叶えられず、いつのまにやらラブラブモードな二人。ヒッチコック監督ばりの「ヒロインぼかし」までかかってたりする。やれやれ。

なんやかんやで目的地らしき湖に辿り着き、標的のルイザ号は艦船といっても普通の客船みたいな感じ。これを爆破することで一体何が変わるというのだろう?

目的を果たせずにドイツ兵につかまり二人は絞首刑、絶対絶命のピンチ!そのとき・・・という映画でしたが、何が驚いたって、このむさ苦しいおっさんがかの有名なハンフリー・ボガートその人だったということです。「カサブランカ」「三つ数えろ」・・・しかも本作でアカデミー主演男優賞を受賞!?

大変失礼致しました。でもですね、「ハンフリー・ボガートをイメージして演じてくれ」と言われた松田優作氏が「そんなに格好良いか?捻り鉢巻すれば寿司屋の親父だろ」と拒んだ、というエピソードに深く同意してしまうのです。

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