アメリカン・ビューティー

Cinema

(1999年/アメリカ)

これも有名な映画で、なおかつ主演のケヴィン・スペイシー氏が好きなのです。ただ「平凡な核家族が崩壊する過程で、現代アメリカ社会の抱える闇を描き出す」という前説がいかにも面白くなさそうなので観てませんでした。

いやぁ、やはりケヴィン氏の一片の隙もない演技が圧巻ですね。表情ひとつとっても至芸です。どうでもいい感丸出しで娘のチアダンスを見始めて、不意打ちで娘の友達に魅かれる表情の変化は演出の妙もあって、絵にかいたような素晴らしい鼻の伸びようでした。

そんなケヴィン氏をはじめ、どの役者さんの演技も素晴らしかったです。そして序盤はどの登場人物も「なんかダメ人間ばっかだな」と思わせておいて、終盤にはその全員が愛おしく思えてくるという西加奈子さんの小説的な展開が良かったですね。泣けました。

細かい話ですが、ケヴィン氏のラストのモノローグ、最後のセリフが終わってからエンドロールが流れる「間」もパーフェクトでした。あの「間」って結構大事だと思うのですが。

コメント