遊星からの物体Ⅹ

Cinema

(1982年/アメリカ)

先日観たタランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」と本作が、主演(カート・ラッセル)・音楽(エンニオ・モリコーネ)が同じで、なおかつタランティーノ監督がオマージュしていると思われるシーンを並列で見せる動画もあって、ちゃんと観てみたかったのです。

結論から言うと本作を観ながら「ヘイトフル~」を彷彿とさせたシーンは、吹雪の中、誘導の杭をたぐりながら建物を目指すシーンくらいでした。

それはそうと面白い映画でした。南極の真っ白な世界で執拗に犬を追うヘリに釘付けになり、そのまま映画の世界に惹き込まれます。上手いですね。

カート・ラッセルさんの演技もセリフじゃなくて、ちょっとした表情、あるいは無表情だけで語りかけてくる。「・・・・・・分かりました」みたいな感じになる。南極の基地という閉鎖的な状況でずっと顔を突き合わせている男達のコミュニケーションというのはこういうものなんだろうな、とそこまで感情移入できちゃうんですね。上手いですね。

そして「物体Ⅹ(原題:The Thing)」の想像を絶するグロさ。あまりにもグロ過ぎて、逆に普通に観られてしまうくらいです。「うわー、そんなことになっちゃうんだ。うわわわわわ、はははは」という。

「ブン、ブン」というシンセベースっぽい音が印象的な音楽も良いですね。Moogでしょうか。

そしてラストも素晴らしい。あそこで終わることで残る余韻。そこにかぶさる「ブン、ブン」・・・名作です。

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