イット・フォローズ

Cinema

(2014年/アメリカ)

確かYahooニュースのおすすめホラー映画3本のうちの1本ということで。ちなみに他の1本はシャラマン監督の『ヴィジット』。ああいう怖さが好きな人のおすすめなら良いだろうと。

製作費2百万ドルという低予算、有名な俳優は使わずということながら、主役のマイカ・モンロー嬢は『フィフス・ウェイブ』(2016年)や『ザ・シークレットマン』(2017年)でリーアム・ニーソンの娘役として観ています。全く覚えてなかったですが。

そんな彼女の後ろに歩いてきているのがもう一方の主役である「イット(It)」です。「イット」は何だかよく分からないのですが、様々な「人」の形で、歩いて着いてきて(=フォローズ(Follows))追いつかれるとこんな感じで殺されちゃうんですね。遅ればせながらグロ注意。

そんな「イット」は何故か性交渉によって人に移管させることができます。ババ抜きのように。モンロー嬢も付き合ってほどない彼氏との性交渉でまんまとババを引かされたわけです。

というわけで、早速おばあさんと化した「イット」が歩み寄ってきてます。

きてます。

今度は大男となって友達のすぐ後ろにきてます。

ディザスターピースという人の音楽も独特で、いかにもシンセサイザーのオートアルペジオというサウンドだけで攻めてきます。日頃そういうのばっかりいじっている身としては「手口」が分かるので面白いといいますか、興醒めといいますか・・・。

映画に戻って冷静に考えると、冒頭の彼氏にも「回りくどいデートを重ねて性交渉に至らなくとも、もっとビジネスライクにコトに至る方法もあろうに」と言いたいところですが、モンロー嬢も同じように考えたようで、「イット」から逃れ着いた浜辺でヨット遊びをしている3人の男に下着姿になって向かうシーンがあったり、モンロー嬢の幼馴染みの男の子(モンロー嬢より「移管」済み)もダウンタウンで娼婦とジッと目を合わせたりします。

そして観客に判断を委ねるラストに至るのですが、果たして「イット」から逃れたのか、逃れられなかったのか・・・というよりも固く手を繋いで歩く二人にとってはもう「どちらでも良かった」のだと思っています。逃れられたならハッピーだし、たとえそうでなくても「イット」を拡散させながら逃げ回るより自分たち二人で「射ち止め」にしよう、と。なので前述のシーンもそれぞれ「コトには至らなかった」というのが当方の見立てです。

というわけで、確かに「・・・ワッ!」の驚かし系のホラーとは一線を画するおすすめなホラー映画でした。

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